ワタクシ的茶碗三杯・アラカルト

食と心のつながりについて描く、イラストエッセイBLOG

瀬戸内寂聴さんの講演会へ初めて行ってきました。
会場は日比谷公会堂。
観客は、圧倒的にご年配の女性が多く、ちらほらと
ご年配の男性や若い女性の姿も見受けられました。

瀬戸内寂聴さんといえば「源氏物語」の現代語訳や
「寂聴あおぞら説法」が有名ですよね。

「寂聴あおぞら説法」では、最高記録が15,000人、
最低でも5,000~6,000人もの人々が集まるそうです。
寺院内にある木によじ登ってまで「寂聴あおぞら
説法」を聴く人がいるそうなので、その人気たるや
凄いものです。
日比谷公会堂は観客数2,500人を収容できますが、
寂聴さんにとっては全然苦ではないとのこと。
たくさんの人がいないと話した気にならないの、と
あっけらかんと語るあたりが、さすがに場慣れして
らっしゃるな~と感心しました。

ちなみに、ワタシが生まれて初めて僧侶から法話を
聞いたのは、中学1年生の時、学校の授業でした。
社会貢献とは何かを教えてくださり、一年間体験した
ボランティア活動が成人した今もなお、礎となり
続いています。クリック募金や古切手の収集、
ペットボトルの蓋集め等(いずれも発展途上国の
医療費となります)、日常生活の範囲内で出来ること
ばかりですけどね。
さて、寂聴さんは、ご自身の人生体験談に法話を
取り込みながら、明るく楽しく分かりやすく解説
してくださいました。

「簡単にあきらめてはいけません。
 日々、こうやって生きていることが有難いのです。
 人間は生まれた瞬間から、一日一日を「死」に向かって
 歩んでいます。年を取ることは止められない。
 「当たり前だ」と思うことを人間はすぐ忘れてしまうけれど
 揺らいでみて、初めてその尊さに気がつくもの。
 日々の何でもない行いに感謝しましょう。
 日頃の行いはご神仏が温かく見守ってくださいます…」

途中で、質疑応答の時間が設けられたのですが
会場のお客様の中には、この一年の間に家族と死別
された方も数多く参加されていました。
 夫と死別してしまい、これから先、どうやって生きて
 いったら良いのか分からない…。
 どうして夢にも出てきてくれないの…。

そんな方にも寂聴さんは、優しく微笑み…

「あなたも「死」に向かって歩んでいます。
 その時になれば旦那さんが天国から迎えにきてくれる。
 それよりも、2,500人ものお客様の中からあなたは
 選ばれて、堂々と旦那さんのオノロケ話が出来たのよ。
 それも凄いことじゃない」

と、会場の笑いと拍手喝采が沸き起こりました。

ワタシは「経験は財産」という言葉が好きです。

人生に照らされる光があれば、闇もまた色濃く
映し出されるもの。人間は良いことばかりを望みますが、
結局、両方を切り離すことは出来ないんですよね…。
傷ついた時には、もう二度とこんな辛い経験なんて!と
考えるけれど、同じような境遇で苦しむ人を見れば、
やっぱり放っておけなくなるもの。

介護を経験した人は、介護生活の孤独感や苦痛を。
病気を経験した人は、闘病生活のストレスや不安を。
死別を経験した人は、死別の辛さや悲しみを。
離婚を経験した人は、離婚のストレスや苦悩を。
子育てを経験した人は、子育ての嵐のような大変さが
しみじみと分かります。

「経験は財産」という言葉の裏には、あなたの経験が
同じように傷ついた誰かを癒すことが出来る、そういう
意味もあるのだと個人的には解釈しています。
人生に無駄は一つもないんですよね。

ちなみに
 夫が女狂いで…どうしたら良いのか…
という質問をされたお客様に対して、寂聴さんは

「栄養のないものを食べさせなさい。
 そうしたら、そんなに長くもたないわよ」

という爆弾発言を…(これには会場も大爆笑!)
意外に毒舌なのも新しい発見でした~。

実は、寂聴さんは右目が見えなくなり、耳は遠くなり、
加齢のため、膝の具合も悪くなったとのこと。
しかし不自由なことは何もなく、以前と変わらぬ
仕事量をこなしているそうです。

余談ですが、寂聴さんは「ぱーぷる」というペンネームで
ケータイ小説を一時期書かれていたこともあるとのこと。
ケータイ小説が若い人に受けるのは何かしらの魅力が
あるはずだと、慣れない絵文字を駆使して執筆されたとか。
あさってにはファッション雑誌「VOGUE(ヴォーグ)」から
賞を戴くのだと話されていました。イケメン君と腕を
組めるのが楽しみだわ、そうね何を着て行こうかしら、
と、これもまた会場の笑いを誘っておりました。
笑いあり、涙あり、あっという間の1時間半でした。

御年86歳。生涯現役。
小柄な方ですが、その身体から発せられるパワーは
光り輝いて見えましたよ。その若々しい感受性と
あくなきチャレンジ精神を見習いたいと思います。

これから先の時代、本当の価値観とは何か、気付く
人々が増えてゆくのかもしれませんね。
 
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